小児歯科
小児歯科
診療の流れをご確認のうえ、
受診くださいますようお願い申し上げます。
子供の頃から歯科医院に通うのはなぜでしょうか。高齢になっても健康なお口で過ごすためには、実は0歳〜20歳の過ごし方が非常に重要です。20歳になった時、虫歯、歯周病がなく、歯並びがよく、そしてそれを維持できる生活習慣を身につけていれば、その後はほとんどトラブルなく、最小限のメインテナンスだけでお口の健康を維持することができます。
しかし、子供の頃は成長発育のための変化が大きく、特に子供の歯が生えてくる1歳〜3歳ごろ、大人の歯が生え始める6歳ごろ、親から少しずつ自立しはじめる12〜15歳ごろは、非常に虫歯になりやすい時期です。
子供の歯は虫歯になっても生え変わるから大丈夫・・・という考えは良いとは言えません。子供の歯が虫歯になって、そのままの生活習慣をしていれば、大人の歯も同じように虫歯になるのは当然のことです。
また、子供の歯には大人の歯を正しい位置に誘導するという大切な役割があります。子供の歯を虫歯でぼろぼろにしてしまうと、かみ合わせや、舌や唇、呼吸など口腔周囲筋が誘導を失い、顔や頭の骨の成長発育に悪影響を及ぼします。
その結果、顔の骨が成長発育不全を起こせば、気道がせまくなり、アレルギーや小児の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因になりえます。
睡眠時無呼吸症候群は発達障害(注意欠陥/多動性障害・ADHD)や学力低下を起こす可能性が示唆されています。
顎の骨の成長発育不全をおこすと、大人の歯が正しい位置に並ばなくなってしまいます。
歯並びが悪いのは見た目だけの問題ではありません。単純に歯が磨きにくくなるため、虫歯や歯周病のコントロールが難しくなります。コントロールできていたとしても、歯並びの良い人と比べて、歯磨きに時間をかけたり、歯科医院に通う回数を増やしたりして、より大きな労力が必要になります。
病気は、問題を後回しにして、大きくなってから治療するのではなく、ならないように予防するのが一番です。
成長に合わせた適切な予防を行うことで、健全な発育を歯から支えていくのです。
ちいさなときからの予防処置によって、虫歯が1本もなければ、歯の治療はありません。定期的に行って、指導と歯のクリーニングを受ける場所なら、怖いことはありません。
しかし、理想と現実は違うこともあります。仕上げ磨きをさせてくれない、お菓子がやめられない、毎日の食事内容、生活習慣・・・努力をしてもやむを得ず虫歯になってしまうことはあります。
歯の治療は大人でも気が引けてしまうものです。子供にとっては怖く感じることもあるでしょう。小さなお子さんであればなおさらです。ご両親によってはスムーズに来院するため、内緒で歯科に訪れる方もいらっしゃるかと思います。ですが、なるべくなら内緒にせず来院してください。嘘をつかれたと感じることで余計に嫌になってしまうこともあるからです。子供は親の気持ちを敏感に汲み取るもので、隠し事や不安な気持ちは伝わっていきます。
ご両親が当たり前のことだと普段と同じ態度で接することで子供は安心し、治療に対する抵抗感を減らすことができます。
ですから、ぜひともご両親にとっても歯科医院が「嫌な場所」ではなく「お口の健康を一緒に築き上げていける場所」になって欲しいです。
そして治療が終わったら「すごいね、頑張ったね、さすが!」とたくさん褒めてあげてください。褒めることがとても大切です。小さな成功体験がお子さんに勇気を与え、歯科嫌いを克服してくれるでしょう。
またコツの一つとして、午前中の早めの時間に受診していただくのがオススメです。お昼ご飯の直前やお昼寝前もお腹が空いていたり眠かったりで不機嫌になりやすいので避けた方が良いでしょう。夕方ですと一番疲れが出てきて不機嫌になりやすいです。お子さんの機嫌の良い時間帯、体調の良い元気な時間帯を狙ってみてください。また受診までの間、待合室でリラックスして過ごせるよう、お子さんのお気に入りの絵本やおもちゃなどで遊んでお待ちいただくのもいいかと思います。